2003/10/30(木)  

  世間では風邪が流行っている。 世間の流行から隔離されている劇団員内でも、

風邪だけは流行る。 これが公演期間中でなくて良かった。 えり子さんは現在

二兎社の 『萩家の三姉妹』 の本番ど真ん中で、体力的に相当きつい役だ。

世間の流行には乗らぬよう、テレビは見ないでいただきたいものだ。 トマトが

予防になる事を伝えておけばよかった。 劇団員の中で風邪をひくと稽古中に

感染するのか、復活者と感染者が入り乱れる。 食物連鎖の様に風邪の連鎖は

果てしない。 一度、全員の体調をリセットする為に「せぇ〜の、」で全員が同時に

点滴を受けたらどうだろうか。


                                      宇宙堂団員 梅原晶太

 

2003/10/22(水)  

 その日、私はスーパーダンスユニット「宇宙堂」の面々と接触する機会を得た。

そう、この日はダンスレッスンの日である。 そもそもダンスとは、原始時代の狩りを

起源とする。獲物を捕らえた彼らはその喜びと(以下略)。

駅を出ると外は雨。 だがほとんどのメンバーは傘をもっていない。 天気予報など

見ないのか、いや、きっと雨も彼らのインスピレーションを刺激する材料なのだろう。

練習場所につくやいなや、男達は壁に足をつけて滑り始めた。 素人目には距離を

競っているだけに見えるが、他に類を見ない全く新しいダンスである。 いつの間にか

プロレス技などもミックスされている。 遊びを越えたエンターテイメント。 エンターテイ

メントならなんでもアリだ。 先生の到着。 レッスン開始。 先生オリジナルのウォー

ミングアップを終え、皆真剣な表情で振り付けを繰り返す。 何度も何度も繰り返す。

そのうちに、何万年という時を経て太古の記憶が甦ってくる。そう、我々に流れる

古代の(以下削除)。

三時間に渡るレッスン、お疲れさまでした。

依然謎のベールに包まれた宇宙堂。その片鱗に少しでも触れることができたのであろうか。

                                      宇宙堂団員 佐々木耕平

 

2003/10/02(木)  

 「ぁワン、トゥ、スリ、フォ。」

今日は菅原先生との久し振りのダンス稽古だ。

本公演で実感したのは、共演したキャリアある方達との“身軽さ”の違いだ。

運動量ではなく、身体が使えているか否かという問題である。 私はなかなかイメージ

通りに動けない。 いや、元々身体の動きのイメージが足りないのだろう。 ダンスは全身

に神経を届かせる訓練に最適と思う。 特に下半身が動かないのだ。 公演中、座った

姿勢で対象物に振り向く時、上半身だけを捻るものだから、身体がねじれてコブラツイスト

を掛けられたみたいだったのを覚えている。 コブラツイストは、別名「アバラ折り」。

いかに無理な姿勢をしていたか、ということだ。


ダンスは全身をうまく使えないと成り立たないから、いやでも全身を意識するのだが、

簡単に頭と身体は繋がらない。そして頭も疲れる。


まだ上手く動けないのだが、やはり全身を動かすのは気持ちがいい。 時間を追う

ごとに自分なりに徐々に身体全体が動いていく感覚は、身体の凝りがほぐれていく開放感

と似ている。 頭も冴える。 心もほぐれる。 身体が眠りから覚めるようだ。


そして想うのだ。



「元々人体には眠っていると機能がたくさんあるという。 もしそれを目覚めさせることが

できたら、素晴らしい表現者になることは間違いない(モテる)」、と。




レッスン後、本気で卓球に興じる菅原先生。
                                      宇宙堂団員 梅原晶太

 

2003/10/01(水)  

 好評のうちに幕を閉じた第三回公演『りぼん』から、早や3週間。束の間の休息を経て

ワークショップが始まった。 久々に一所に集った団員。 この空気、久し振りの感覚だ。


長い公演期間中に皆、ずいぶん身体を損傷した。 膝、肩、腰、足首、手首、首。 “首”と

名の付くところは乳首以外、ひととおり痛めたのではないだろうか。 残っている切り傷、

擦り傷のかさぶたが、「一ヶ月前まで本番に立っていたんだな」と、公演の記憶を呼び覚

ます。 しかし、それもようやく消えようとしていた。 傷付いた肉体は治癒されて、今や

“ゼロ”の状態を戻りつつある。 そう、新しいスタートの始まり(重複)なのだ。


     本日は初回なので、ウォーミングアップを兼ねた稽古が始まった。

「よし、今からもっと丈夫な身体を作ろう」

私がそう思った五分後、背中から血が出た。

遠くの方では先輩が指の関節からおびただしい血を撒き散らしている。

部屋の隅の方を見ると、爪の根元が裂けて困り顔の者がいる。

マット上を振り返り見る。

前方転回を回りきれずに、背中だけを打ちつけるという“地獄受身”が展開されていた。

      「・・・ウォーミングアップだと・・・?」         唐突にEND・・・。




全身の筋肉を酷使し、泣く寸前の劇団員梅原。
                                      宇宙堂団員 梅原晶太

 

 

 

当ホームページの掲載記事・画像の無断転載はご遠慮ください。

copyright(C)uchyudou,2003,all rights reserved

 

宇宙堂稽古場日記   最新はコチラ

 

2005

SEPTEMBER

AUGUST

 

2004

 OCTOBER 

JULY 

JUNE 

MAY 

APRIL 

MARCH 

FEBRUARY 

JANUARY

 

2003

DECEMBER 

NOVEMBER 

OCTOBER

AUGUST  

JULY