2004-6-29 (火)  

6月29日晴れ。菅原先生のダンスのある日はいつも良いお天気です。

腹筋からレッスンが始まります。

いつも丁寧に基礎訓練の指導をしてくださる菅原先生ですが、

今日はまた、一段と時間をかけて一人一人丁寧に見てくださいました。2時間もかけて。

誰よりも汗をおかきになっていました。

20人もの劇団員を教える、その体力は相当なものだと思います。

時々、シャレをおっしゃっては、『ここは笑っていいとこだぞ。』と

空気を和ませるサービス精神も旺盛であります。

そしてその度に田辺さんが奇妙な笑い声をあげて、別な笑いを誘っていました。

今日のダンスの振りは、いつもと少し感じが違いました。

2枚目風というか、よい言葉が見当たりませんが、かっこいい感じです。

でもどうでしょう。先生のお手本もむなしく、

いつの間にやら新しい別の踊りになってしまうのです。ポイントを教わります。

しかし、ここは大きく踏み込んで、意識を強く持って右に行って左に行って、

大きく大きくとやっていたら、気持ちばかりで足が追いつかず、

ステーンと転ぶ新しい振りをまた作ってしまう始末です。

口で言ってもなかなかわからない私たちに先生は自ら踊って見せてくださいました。

坂本さんを一人立たせて、少し離れた場所から先生は踊り始められました。

見ている劇団員からは吐息交じりの声が聞こえてきます。

こんなにも美しいダンスだったとは・・・。

ただ相手を意識するだけで(もちろんそれだけではないのですが、)

踊りは全く別のものになるのです。

芝居と一緒ですね。下手なら下手でもせめて気持ちで。小鼻が膨らみます。


                                     

 

宇宙堂団員 木村 絵里

 

2004-6-26 (土)  

何と、また、毬谷友子さんが我々の稽古をみて下さった。

毬谷さんの稽古は、筋肉を酷使するようなものではなく、

精神をフル動員させるような稽古である。

描いたイメージの人物の着ぐるみにスッポリ入ってしまえ!という

演技論を実践する為の内的な訓練をするのだ(注:明るくね)。

毬谷さんの稽古では毎回ウォーミングアップとして恒例になってるのが「機内客」。

仮想・飛行機の機内にて、それぞれ人物設定を与えられた6人が、縦一列に並んで床に座る。

飛行機の機内客となり、思い思いのリアルな心の声を呟くのである。

いつもは各自の設定はそれぞれ違うのだが、今日の設定は全員が「渡辺えり子」。

・・・・・・なるほど。

飛行機内で6人の渡辺えり子が縦に並んでいる。

プレイ開始と同時に各渡辺は、「ああ、タバコが吸いたい。」「まだ着かないかねえ。」

「お腹がすいた。」「留守中、劇団員は大丈夫なのかね。」云々とぶつぶつ呟く。

それなりに扮してはいるが、んん、何か物足りない。おや・・・?

一番後ろの座席には一際目を引くえり子が――。

そう、夫である土屋さん扮する、土屋良太えり子である。

稽古の趣旨で言えば、土屋さんの演技はまさにえり子さんの着ぐるみを完全に着た状態だった。

秀逸。そして、繰り出す笑いの打率は9割9分7厘。ドカベンである。

自分も前から4番目のえり子であった為、

後部座席の「土渡屋辺えり良太子」をついぞ見ることができなかった。

これが2004年で最も悔しい瞬間になることは間違いない。

そして毬谷さんの総評。「あと20分で着陸いたします。」の機内アナウンス

(毬谷さんが頃合を見計らって言ってくれる)と同時に、

6人の渡辺えり子さんは全員そわそわしだした。

唯一全員が一致した部分だったそうで、面白かったそうだ。

そして笑いながら「うふふ、ありえそう」と。

数日後、えり子さんにその話をした所、

「あたしはそういう時はそわそわしない。」と否定された。

しかし、えり子さんもかなり見たがっていた。→危険。

しかし、えり子さん、ひいては人間への観察が足りないことに気づかされた日だった。

空はまだまだ高い。

                                     
 

 

宇宙堂団員 梅原 晶太

 

2004-6-25 (金)  

いよいよ10月に予定されている新人試演会『オールドリフレイン』の稽古に突入です!

皆ドキドキしながら稽古場に集合。

とは言ってもまずはおおまかなキャスティングをしなければなりません。

最初にえり子さんからA、B、Cの3グループでの配役発表がありました。

その後でグループ順で本読みです。

読みの最中にもえり子さんからイメージや演出をいただきます。

当然ながら同じ役でも人によって印象が違います。

進めていく中でも役同士を交換してみたりえり子さんも試行錯誤の繰り返し。

頭を痛めておられます。

皆まだまだ台本の読み込みが甘く、イメージを掴み切れていなかったり…。すみません。

日頃読んでいても、言葉のひとつひとつや行間に隠されているヒント、

そして後に繋がる伏線が張り巡らされています。

それらを読み取れない自分はまだまだ甘いなぁ…とひたすら反省です。

結局、この稽古中では配役を整理しきれず、

次回改めてキャストオーディションをしていただく事になりました。

自分なりに出来る限りの力を出せるよう、この一週間が勝負なのです!


 

 

宇宙堂団員 東澤 有香

 

2004-6-22 (火)  

6/22(火)晴れ。川崎です。東京32゜の真夏日の中、菅原先生のダンスです。

いつものようにストレッチ、プリエ、タンジュをやったあと

シェネ(ターン)とバットマン(足上げ)をやりました。

この二つは踊りの基礎的なもので色々な振りでよく使われます。

シェネは首がついていないと目が回ってしまうため

終わった後まっすぐ歩けてない人もちらほら…

バットマンは勢いだけでやってしまうと、とても格好わるいことになってしまいます。

体をひきあげること、肩を下げること、爪先をのばすことがポイントです。

その後は前回の振りの続きをやりました。

二人でコンビを組む振りがついたので、一人で踊るのとは違い

相手との呼吸をあわせるのが難しかったです。

約3時間のレッスンが終わったときには、みんな汗びっしょりでした。

本番が終わってから体を動かす機会が減ってしまったので、いい汗かけてよかったです。

もっと上達して次の舞台では格好良い踊りが踊れるようになりたいです。

ダンスのあとは、フランス帰りのえり子さんも交えてのミーティングがありました。

試演会のことや今の問題などを色々話しました。

劇団として、もっと成長していけるよう頑張っていきたいと思います。

心身ともに充実した一日でした。

 

 

宇宙堂団員 川崎 侑芽子

 

2004-6-15 (火)  

6月15日火曜日、快晴。都内某所にてダンスのレッスンである。

しかし、菅原先生が腰痛の為、レッスンは中止になり団員でのワークショップとなった。

まず、軽くストレッチをする。眩しい。吉田さんのジャージが眩しかった。

あれはまさか私物じゃないよなって思いつつ・・

ブルース・リーの黄色い上下を蛍光のオレンジにした感じのものだ。

それはどういう意味なのか聞き忘れたのが心残りで。。

そして私の体は非常に固く、開脚は90度にも満たない。あの頃が懐かしまれる。

十年くらい前までは体も柔らかく、そして軽かったと思った。

そう、何故か先週から私も踊っいるのです。踊っているというよりは動いているのです。

後は待ちに待った試演会の台本「オールドリフレイン」の製本作業をし、

そして皆で読み合わせをした。

しかし、部屋を借りている時間にも限りがあり、

あと少しというところで読み切ることが出来なかった。長いのである。大作だ。

今回はまだ時間がある。だからそれなりの準備が出来るだろう。張り切る。


 

 

宇宙堂団員 太田 衣緒

 

2004-6-14 (月)  

3回目のケチャ録りです。

そろそろ新人の私でも、レコーディングとやらの手順だとかコツだとか、

適した格好だとかシャッターチャンスだとか、そういう諸々のことが解ってくる頃です。

録音も公演も、はたまた恋愛や人生に於いても、

解ってくる頃には終わる。のかもしれない。ですね。

久々にお会いする石村さんは、小学校をまわる公演の真っ最中だそうで、

相変わらずヨダレが垂れそうなほどの美しい笑顔と美声でした。

アオイバラの劇中歌と打楽器ケチャのCD化がとても待ち遠しいです。

  


 

 

宇宙堂団員 塚本 花子

 

2004-6-9 (水)  

都内某所にて「アオイバラ」劇中歌等のレコーディング。

作曲して下さった近藤達郎さんの指導の下つつがなく…とはなかなかいかないものだ。

全体がぴたりと合うまで何度も演奏&歌を繰り返した。

我等が「楽器」と普通に呼んでいるのは

一般的にガラクタと呼ばれる 使い古した調理器具達。フライパンや鍋やポリタンク…

そんなものがド♪とか、ラ♪とか、シ〜♪とか歌い始めるわけである。

ああ!人は数限りない表現手段に囲まれて生きている…なんて考えていたら、

あっ!ハズした〜!

20名ほどの団員がそれぞれに歌い奏でる音を聞き分けてアドバイスして下さる近藤さんに

「聖徳太子の耳は七人の言う事を聞き分ける」という話を思い出した…

ヨミガエレ アオイバラ!!

 

 

宇宙堂団員 後藤 美紀

 

2004-6-8 (火)  

今日は、アオイバラの公演が終わり久々の菅原先生のダンスレッスンがありました。

筋トレ、ストレッチでは、みんな少し辛そうでした。

自分も足の筋が痛かったのは言うまでもありません!

続いてプリエをやりながら、自分のまっすぐな姿勢の確認。

この時の姿勢で歩くと足が細くなると先生は言ってました!

女性は試す価値あり!!?最後は新しい振り付けでのダンスレッスン。

これもダンスの苦手な自分には難しい…

上手く踊れなくても気持ちだよと自分に言い聞かせ踊ってました。

先生が考案した田植えには、みんな変になってて笑えました!!

 

 

宇宙堂団員 戸沢 俊啓

 

2004-6-2 (水)  

六月二日、晴れすぎ、いや、本当に。紫陽花大丈夫かしら?

やっぱり濡れてなきゃね。人も紫陽花も。あーまもなく梅雨。

ハッピーバースデーツーユー。もんもんもんとする五月病もすぎさり、

ロック月が、初鰹とともにやってきた!意味のない言葉の羅列。

これを読んでくれているあなたの心には、何が浮かんでいるので唱歌?

あーコントラスト。ファウスト。よござんすと。

歌は歌のないところから聞こえてくると、いきな事を言う人がいますが、

何かさまざまなことにいいえておるように思うのは私だけでしょうか?

ああ、わけのわからぬことばかり。

さて、そんな中、毬谷さんのワークショップ二日目。

とても丁寧な方で、ご自身の実体験と織り交ぜ話してくださり、

みんな体が耳になったように聞いていた。うまく言えないが演技うんぬんではなく、

その人、その人間自体が作品であれば言葉がなくとも伝わると、

このようなことをおっしゃっていた毬谷さんは、

劇団員にじーっと審美眼をブギらしておられた。毬谷さんありがとうございました。


 

宇宙堂団員 新井 和之

 

2004/06/01(火)  

本日、稽古場にて毬谷友子さんによるワークショップがありました。
先日のアオイバラの打ち上げで、毬谷さんが痛く感動してくださり、まだまだ発展途
上の劇団員にもっともっと芝居が良くなるよう、稽古をつけてくださることになったのです。

いったいどんな内容のことをするのか、事前になにも情報がなかったのでどきどきし
ていました。というのも、私が受けたことのあるワークショップは、事前に課題が出
題されるものがほとんどだったのです。なにも用意してないときの不安てのはどんな
状況においても本当に嫌なものでした。

しかし、始まってみると、課題を闇雲にやる私の過去の記憶とは裏腹に、言うなれば、
まさしく『手取り、足取り』のごとく、懇切丁寧なご指導!!
役者をやっていく上で、一番必要とされる感覚を呼び起こす授業でした。

1時間目の内容は、『レセプション』。
よく耳にする、「スタニスラフスキー・システム」とは違う、「ベラ・レ−ヌ・システム」という
芝居の専門書を元に稽古が始まりました。
「ベラ・レーヌ・システム」とは、簡単に言えば、「役になりきる」方法で、
ものまねもこちらなんだそうです。
毬谷さん曰く、「‘役‘という着ぐるみにスポっと入っちゃうこと」なんですって。
反対に、「スタニスラフスキー・システム」というのは、
自分の経験から役に近づく方法で、自分が体験したことのあることしかできない
のが難点ですが、感覚が同じなら、代用も出来るということ、らしいです。
(なんと説明したらよいかわからないんですが・・・。)
ちなみに、私が以前いた某劇団養成所は後者のシステムでした。

どちらが正しいとか、間違っているとかはないのですが、今回は前者のシステムを使って、
まずは心の中での独り言を役になってしゃべるエチュードをしました。
シチュエーションは飛行機の中。稽古場にななめに並べられた6枚の座布団は座席。
それぞれが毬谷さんによる設定をうけ、いざ開始。一人は運び屋、一人は残留孤児、
一人はパリコレのモデル、一人は有名なサッカー選手、
一人は新婚旅行で新郎がいなくなった花嫁・・・などなど
多彩な乗客を乗せた飛行機はそれぞれの目的地に向かいます。
そして、客室乗務員に扮した毬谷さんに肩を叩かれると、
心の中で思う独り言をしゃべりだします。はじめは面白いことを言ってやろうと思うのですが、
だんだんだんネタが尽きてくると、本当の心の声をしゃべりだします。
それこそがこのエチュードの目的で、『自身が存在し、生きた台詞をしゃべる』ことが
役には一番大切なのだ、と毬谷さん。
判っていても体現できないもどかしいところに光が見えた感じがしました。
なるほど、こういうことなんだな、みたいな。

そして、エチュードが終わるとディスカッションです。これもとても大事なのよ、と毬谷さん。
観察力がつくのです。役者はなんにでも興味がないとだめなんです。
もちろん、人にも。それを養うためにはディスカッションが一番なのだそうです。確かに。
もしかしたら、これが今の劇団員には一番必要かもしれないなと思いました。私を含めて。

そして、2時間目はちょっとレベルが上り、『レセプション』応用編。
新宿の西口、もしくはアルタ前で2人は待ち合わせしています。それぞれが先ほどと
同じように職種や待ち人が違います。が、実は幼稚園の仲の良かった幼なじみだと気
付き、喜ぶ、というエチュード。
これまた難しい・・・。心の声は常に思いながら、状況を想像し、体感し、相手を感
じる。至難の業です。普段、自分がやっていることなのですが、それを役になってや
るのはとても難しいかったです。私は土屋さんとやったのですが、相手のどこを見て
幼なじみだと気付いたのかというところと、自分の職種や季節が想像薄になって、
とってもくやみましたが、このエチュードはみんなで集まれば出来るものなので次回
につなげようと思いました。

車で言えばアクセルやクラッチの踏み方やミラーの確認の仕方など、
基礎の基礎を丁寧に教えてくださったので、とってもためになりました。

何も知らないで舞台に上っていた自分がおそろしく感じた一日でした。


 

宇宙堂団員 坂本 ひとみ

 

 

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