◆ 稽古場日記 ◆

2005-10-16(日)  

いよいよ明日から本番! 本日は芝居の後半部分の立ち位置や転換、衣裳の早替え等をしっかり確認しながら、世田谷パブリックシアターという舞台に今迄の稽古場で作り上げたものをぶつけていく作業を行った。なので『稽古場』日記というよりは、『本番前日』日記である。(そのまんま)
泣いても笑っても明日本番。 とにかくやるしかないのだ。本当に戯曲、役者、音楽、踊り、照明、舞台と全てが素晴らしく、面白い。この舞台に自分が立てる事が嬉しくて有難くて仕方ない。死ぬ気で頑張ろうと思う。

 

【今迄の稽古場風景】

 

 

 

 

 

       

宇宙堂劇団員 谷口幸穂

 

 

 

2005-9-27(火)  

今日から立ち稽古開始。冒頭で私が踊っているところの後ろに、次に出る川原さんと劇団員3人がスタンバイする。しかも川原さんは大抵いつの間にか風のように来ている。川原さんがくの一を希望したことは記事でも紹介されている。最初は意外でびっくりしたけれど、これがうまく宛書されている。さらにそれにcobaさんの音楽が加わる。これも最初に曲を聴いたときは「このシーンでこんなにスケールの大きいものをやるのか?」と思ったけれど、シーンが進むと、どんどん紐解かれていく。cobaさんはやっぱりすごいインスピレーションを持った人なのだ。そもそも忍者とは影の存在だから、今回、何かが起こるには違いない。有薗さん、高谷さん、藤浦さんも登場してきて、コミカルな芝居で、そしてダンスでどんどんイメージが膨らんでくる。 稽古場の板の上に、本当に黄色い土が見えてきそうだ。脚立の神社の鳥居のあたりはひんやりとした空気、ダンボールのポストも赤く見えてくる。高谷さんと藤浦さんのタップのリズムに体かムズムズする。ああ、これはたくさんの人たちに見てほしい!これは、見たら元気がでる!

       

宇宙堂劇団員 草谷夏枝

 

 

2005-9-16(金)  

遂に、風回廊の全体稽古が始まった!!昨日、客演の方、スタッフの方達も集まり本読みをし、今日からは、まず劇団員と大駱駝艦の方達との風の舞踏を創り始めた。子供の風を、自分で想像し動いてみるが、子供と考えると余計に子供に見えなかったりと難しい…。駱駝の村松さんに、各々が表現したものから、良い動きを選んでいただき、みんなで合わせてみると少し光景が見えてきた。風とは本来、目に見えないものであり、それを演
じることは難しいが、冒頭からお客さんを引き込める様に、風を演じるのではなく本当の風になりたい。



  
 

宇宙堂劇団員 戸沢俊啓

 

 

2005-9-13(火)  

本日よりスタジオ入りである。私がスタジオに着くと、既に梅原と太郎が宇宙堂の稽古場からの荷物を運び込んでくれていた。やはり稽古場がかわるといよいよだという気持ちが強くなり緊張してくる。偶然隣りにいた加藤記生に私の緊張が伝わってしまったらしく「まゆみさん緊張しーだよね。」と言われてしまった。今日から約一週間ここで稽古することになる。そして、あさってはいよいよ顔合わせだ。夕方以降、久々に台詞のシーンの稽古をした。最近は動きのところに時間をかけていたためである。久々のためか、会話がなかなか噛み合わない。個人個人の工夫も空回りするばかりである。結局稽古場を出た後も近くの店で食事をしながらシーン作りのミーティングとなった。劇場入りまで約1ヵ月。がんばるぞ!

 

宇宙堂劇団員 木村真弓

 

 

2005-9-7(水)  

どうしようもない私があるいている。

この道をゆくより他ない私である。

種田山頭火
 


えり子さんが西川流の名古屋をどりに役者として出演するので劇団員で見に行った。名古
屋まで車で5時間くらいだ。一気に全員は行けないので2チームに分かれて名古屋に行っ
た。私の実家が名古屋にあるので劇団員はそこに泊まることになり、だから私は新人なの
に3回もえりこさんの舞台を見ることができた。見るたびに芝居への理解も深まり、おも
しろくなっていった。同じ舞台を繰り返し見ることができてすごく勉強になった。終演
後、先輩とえりこさんが西川流の千雅さんと直子さんと食事をするところに、私も参加さ
せてもらえた。ラッキーだった。千雅さんの話はとても興味深くて、直子さんの撮った舞
台写真も見せていただいた。すごくいい時間を過ごさせてもらった。舞台は「風の中ゆ
く」というもので、踊りとセリフのセッション。西川流家元の西川右近さんは詩人種田山
頭火の面影役。えり子さんは山頭火の妻サキを演じていた。幻想的な、美しい舞台だっ
た。全く違う二人、えりこさんと西川右近さんの共演は新しい表現の世界を生み出してい
た。生き生きしていて、面白いえりこさんの演技、おちゃめで華麗な家元の踊り。心から
感動した。名古屋まで来て本当
によかった。学ぶことだらけだった。家元をはじめ西川流の方々には大変お世話になりま
した。心から感謝をしています。みなさん本当にいい方で礼儀や気の使いかたなどは学ぶ
ところばかりでした。西川流の方達も風回廊を見にきてくださるという。毎日の稽古、本
番だと思って、全力やっていこう。
 

        

宇宙堂劇団員 加藤亜依

 

 

2005-9-5(月)  

 曇りのち雨。天気が微妙は大歓迎。最近はどんなに晴れていたって右手に傘、左手に煙草がやる気のモード。私はジーン・ケリー。歌って踊る巴里のアメリカ人なのです。
『風回廊』、とあるシーンのミュージカルナンバーの稽古中です。先週から、劇団員3チームにわかれて作ってきた傘ダンス。今日は1つのシーンにするために菅原先生に見ていただきました。面白くなりそうな予感はビンビンきてます!でも、距離感掴めず所々で傘が悲鳴をあげている…。そして喫煙者はともかく、普段煙草を吸わない劇団員の格好の悪さと言ったら…。はて、いやいやどうしたことか?頭の中にイメージはあるんだけどなぁ…。なんてのんびりしたことは言ってられないって訳なのです!前へ前へ。イメージを体現できない不自由な体を嘆きつつ、たどり着きたいあの場所へ!
乞うご期待です。

        

宇宙堂劇団員 木村絵里

 

 

2005-9-4(日)  

  今日は赤坂のホテルニューオータニでの山形県人会の総会です。山形と言えばえり子さんの故郷!ここに宇宙堂劇団員7名が乗り込んで『風回廊』の宣伝とチケットの販売を行うのです。赤坂のホテル、という場違いな気分と戦いながらふかふかのカーペットを踏みしめ本日売るえり子さんの戯曲などを搬入。戦いはこれからです。出迎えてくれた土屋さんと多賀さんは今日は汗をかきかきスーツ姿で登場。杉嶋さんも妙に麗しく、気合いを感じます。県人会の催される会場外のロビーには山形の名産品を売る出店が並び、その一角に宇宙堂も場所をお借りしてセッティング。と、どこからか爽やかな歌声が…?見るとすぐ隣で東宝の『蝉しぐれ』のチケット前売りをする様子。モニターで始終映画の予告編を流すのです。く〜、そんな秘密兵器がうらやましい。しかし芝居は生物、同じものはありえず、その日観にいらして下さったお客様と役者とスタッフさんとそれを包む空気、全てが
混ざり合ってたった一度だけの舞台が出現するのです。それにこっちには皆で必死に作ったえり子さん顔写真付きプラカードもある!!一青遙の歌声に負けじと劇団員全員で『風回廊』の宣伝を叫びます。「チケット売るなら俺が行った方がいいよ〜」と自ら名乗りをあげた多賀さんはなぜか常に眉を寄せて切なげな表情。なぜ…?劇団内個人別チケット売上1を誇る多賀さんです。きっとあの表情に秘密があるはず。しかしその効果はなかなか現れません。テレビや映画に比べて、演劇って敬遠されがちなのかなぁ…と、マダム方にあっさり袖にされている多賀さんに胸が痛みます。しかし宇宙堂、負けません!そんな憂い顔の彼を尻目に新人制作の大川(やり手)はいつの間にかにこやかにお客さんと会話。土屋さんも県人会の舞台に上げられ半ばやけくそながらも楽譜片手に歌を歌っています。皆のがんばりの甲斐あって少しずつ足を止めてくれる方も増えていきました。目の前でお客様が一枚、また一枚と買って下さるのを見ていると絶対に面白いものをお見せしなきゃ!と改めて思います。

余談ですが県人会も終盤にさしかかった頃、隣の玉こんにゃく屋のおばちゃんが「アタシもえり子さんと同じ西高の卒業生なのよ〜、あなた達食べなさ〜い。ちょっと焦げちゃってて悪いけど、食べなさ〜い。」と次々にこんにゃくを串に差して手渡してくれたのです。ありがとうおばちゃん!!ちょっと焦げてるこんにゃくは醤油がよく染みていて、ほろ苦くて、どこか懐かしく。私はこの玉こんにゃくの味を一生忘れません!

 

宇宙堂劇団員 東澤有香

 

 

2005-9-3(土)  

 今日は稽古場を飛び出し中学校の体育館を借りて踊りの稽古です。
目指すは『パリのアメリカ人』風!! 踊りと芝居の中間の微妙な感じをどう表現するか・・かなり難しい。しかも手には傘とタバコが・・。うぅ・・。
手がもう一本欲しいよう・・。
試行錯誤すること数時間・・。各班それぞれ発表しました。踊りの技術がない分アイディア勝負!!みたいな感じにはなったもののなかなか面白いものになりました。
今後、演出や振り付けが入り、このシーンがどう調理されて行くのか楽しみです。
それにしても奥山さんの何かにとりつかれたような、あの歩き方夢に出てきそう・・。

 

宇宙堂劇団員 川崎侑芽子

 

2005-9-2(金)  

 今日は、自主稽古の合間に案内状発送作業を劇団員でやりました。
チラシとあいさつ文を3つ折りに。ひとつひとつ気持ちを込めてみんなで折り、また折り、折折折、、、。
次に、封筒にラベル貼って、のり、閉じて、のり、閉じて、のりのり。
みんなで手分けしてやったお陰でなんとか夕方までには郵便局に持ち込めました。
その後、9月4日に山形県人会東京総会で風回廊の宣伝と、チケット販売のスペースを頂けることになり、その準備をしました。
みんなでのぼりをつくり、目立つように花を貼ったりするものの凝れば凝るほどなぜか格好悪くなっていく、、、、(土屋さん多賀作成)
そんなジレンマに襲われながらも、ようやく宣伝用ののぼり完成。
これでみんなチケット買ってくれるといいなとの思い込めて。

 

 

宇宙堂劇団員 大川美由紀

 

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